残念なことに、コロナ渦でなかなか外出が減り、あきらかに歩行ができなくなってきた高齢の患者さんがいます。
一昨年までは週に2回プールに行っていたのですが、心筋梗塞の既往歴があり、去年2月より極力外出を控えるようになったのですが、11月になり自宅の階段も登るのもキツく、息苦しさも感じるようになってしまいました。検診で心臓の機能が低下していて、心臓リハビリテーションが必要と言われ、週1でリハビリ施設に通院を始めました。先生曰く、全身の筋肉量が減ったことにより、心臓に負担が掛かかるのが原因と言われたそうです。
医学的統計によると、太腿の前の筋肉(大腿四頭筋)を基準にすると、20代を100%とすると、70代では80%弱になり、50代より年に約1%ずつ減少、1日足を使わないで寝てると1日約1%減るとあります。体重1㎏あたり筋肉量20㌘あれば筋肉が減っても鍛えれば戻すことができるが、筋肉量が10㌘より減ると鍛えても戻すことが困難になり、寝たきりの危険性が出てくるとのことです。
筋肉量が減ってから鍛えるより、落ちないように使ってあげる方が大事です。特別なことより、まずは歩くこと。坂道や階段を取り入れてみるのも有効です。まさに筋肉の「貯筋」です。