病気の治療に薬を望むのは人間だけ。太古の昔から薬として草根木皮や動物鉱物を求めてきました。
約2300年前にギリシャのヒポクラテスは柳の樹皮を解熱鎮痛に用いていました。
また、約1800年前の漢方の手引き書「傷寒論」に葛根湯があり、葛根、麻黄、桂枝、生姜、甘草、芍薬、大棗を煎じて風邪やいろいろな部分の痛みに用いていました。。
19世紀に入り、柳の樹皮の有効成分がサリチル酸と分かり、アスピリン(アセチルサリチル酸)ができ、アヘンからモルヒネが出来るなど、天然物から多くの有効成分が分離できるようになり、飛躍的に進歩しました。
20世紀に入り、ドマーク(ドイツ)によるサルファ剤、フレミング(イギリス)によるペニシリンなど、感染症が退治できるようになりました。
また、糖尿病の治療薬インスリンは1921年に発見されるなど、現在の薬は約15000種で、その95%はここ50年程での開発で、ものすごいスピードです。
その恩恵をもらっている中にいるのに、iPS細胞での腫瘍化、抗精神薬からの認知症、消炎鎮痛剤による消化管からの出血など、薬害も取り沙汰されてます。
物事には二面性が必ずあります。薬は毒です。
毒が毒を制しています。それは太古の昔からも同じです。
落語に学がなくて葛根湯しか知らない医者が、どんな病でも葛根湯を使い、良くもなったり悪くもなったりする話があります。そこからヤブ医者葛根湯と言います。
時代が進んでも薬は慎重が良いのかもしれませんね。