更年期ホルモン療法

来院者の方にHRTをするかしないかの相談を受けました。

更年期障害に女性ホルモン補充療法「HRT」が再注目されてのことでしょうか。
閉経前後(日本人女性平均約50才で前後約5年)の火照りや多汗、不眠症や食欲不振増進、気分の乱降下など、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が激しく上下することにより、自律神経の働きが乱れて起こる症状が更年期障害。
乳ガンや子宮がんのリスクを高める、血栓症のリスクを上げるなどの報告から消極的になっていたところ、HRTの臨床試験の再評価が進み、60才未満と閉経後10年未満では、ガンのリスクや心筋梗塞のリスクは喫煙者と同等程で、さほど問題としないとのことから、注射、服用薬、湿布薬、塗り薬など、バリエーションができ、積極的な方向です。
しかし、喫煙者と同等ということはリスクの可能性はゼロではないということ。
人間が作り出した合成薬である以上、主作用があれば副作用はあります。
現にコレステロールや中性脂肪が高めの方や血栓症の既往歴がある方は慎重にとの答申があります。
副作用の心配がないが、即効性に欠けるのが運動療法。骨盤周囲の柔軟性と臀部と大腿部の筋力強化が有効です。手軽なのがスクワット。肩幅より少し広めに足を開き、爪先を少し外向きにし、両腕を肩の高さに上げ、お尻を突き出しながら、後ろの椅子に腰掛けるようにゆっくりと、膝が爪先より出ないように、太腿が床と平行になるまでしゃがむ。15回3セット。
薬を使うのも選択肢ですが、自律神経失調症は運動、食事、睡眠、排泄の働きに顕著にでますから、逆にこの4つのバランスを取れば改善は望めます。それぞれを見直してみる価値はありますよ。